鬼ころし

昨年、プライムビデオを利用してから、映像作品に触れる事が、父・子共に圧倒的に増えた。

その中で、我が家にどっしり根を下ろした二作品がある。それが、「鬼滅の刃」「メイド・インアビス」である。

今回は、「鬼滅」が社会現象とまで呼ばれるヒットを飛ばしている理由を考えてみた。

 

1、ストーリー

時代は大正。始祖の鬼に家族を殺され、妹を鬼にされてしまった主人公が、妹の治療(?)や始祖の鬼への復讐を目的に、「鬼殺隊」に所属し、各地の鬼を倒していくストーリー。話が進むにつれ、鬼となった人にも、人をやめて鬼になる理由が明かされていくが、切なかったり、到底理解が出来ない事もある。

 

2、内的なヒットの理由

 1)何よりも、週刊少年ジャンプ連載ということもあり、テンポもよく、男が好きそうな「日本刀」「技」「柱(隊長的なヒエラルキー)」「美少女」などもふんだんにまぶっている。最近の女性も、こういった要素に趣向があることを公言するのが珍しくないと感じる。

また、「柱」と呼ばれる、所謂「隊長」的な人物達にも、鬼を憎む理由があり、ただただ好戦的なストレンジャー集団ではなく、鍛錬に鍛錬を重ねて強くなった事が描かれている。無論、彼らには才能があるのだろうが、才能を十分に活かせる鍛錬があり、理由もなく強いのでなく、死戦をいくつも超えた結果というのも、読者にも共感を覚えさせる要素なのではなかろうか。

戦闘シーンの描写は、腕が切り落とされたり首が飛んだりと、激しめ。しかし、戦闘シーンよりも、鬼殺隊・鬼の描写が個人的には見どころじゃないかなぁと思う。決して、多くの物を望んでいる訳でなく、平凡質素な生活を人や鬼に壊されることで、鬼になるか鬼を憎むかに分かれていく。

 

 2)アニメ版は、技のエフェクトや、一人称視点で景色が動く様が非常にスムーズで綺麗だと感じる。こういった演出が丁寧だと、信用に足るアニメだと思う。

 

 3)週刊連載の特徴なのだろうか、キャラが豊富なのである。心優しい主人公、普段は頼りないがピンチの時には真価を発揮する友人、ガサツなマッチョ美少年などなど。読んでいて、大体推しキャラが見つかるのではなかろうかという、確率の高さ。

 

3、外的なヒットの理由

https://ferret-plus.com/13682

https://toyokeizai.net/articles/-/342067

などなど。

OP曲「紅蓮華」の馴染みやすさや、著名人のSNSでの発信、広報媒体、アニメ制作会社の手腕といった感じですかいね。

また、人気が人気を呼ぶ入れ食い状態化しているんじゃねぇかなぁ、と。

経済には「景気」という言葉がある通り、「気」なのだ。何となく物が欲しい、とか。収入の増加とか物価の増減とかと強い相関関係があるから、一概に同じとは言えないが。

 

4、個人的要望

キャラクターが芝居をする描写が少ないのが残念だなぁと。恐らく、週刊少年誌の読者層がターゲットという事と、テンポを上げるためだとは思うが、セリフでの説明が多いのだ。例えば、痛い時に苦悶の表情と共に「い、痛い…!」というセリフを載せてしまっている。これは、芝居ではなく、説明になってしまう。

例えば冒頭にチラッと出した「アビス」では、激痛に耐える少女は、猿ぐつわを噛まされ、仲間に押さえられながら失禁してしまう。

自分的には、言葉に出されると興が削がれるというか、「あぁ、言っちゃうのね」となってしまう。言葉に出さずとも、表情や動作、更に言えばコマの大きさや背景の色など、ノンバーバルな部分からそのシーンが何を意味するかを想像したいのだ。日本人的と言えば日本人的なのかなぁ。

 

5、まとめ

色々と考えてはみたが、個人的には、よく分かりましぇん!というのが正直な感想。

めっちゃ面白いとは言えないが、やや面白いくらいの印象。

例えば、パイロットの精神面にフォーカスしたガンダムエヴァ。男女ともに体を張って戦うドラゴンボールセーラームーン。切り口が真新しかったのよ。

しかし、個人的に真新しい印象が少ない鬼滅。何故ここまで支持されているか分からん。

分かる方いたら、教えて下さい。

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